第1章 

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「お疲れ様でした。お先に失礼します」 同じ部署の人たちに声を掛け、ひたすら数字をパソコンに入力をしていたせいで 固まった肩を擦る。 週の中日 もう少し続く今週を想像すると、肩の重さが倍になった気がした。 『マッサージ行きたいな~』 いつも行く、木の香りがするマッサージ店を想像して少しだけ笑顔になる。 『よし!それは、週末のご褒美として取って置こう』 帰り道のスーパーに寄って食材とビールを購入して家に帰る。 お風呂に入って、夕食兼、つまみを食べながらビールを飲んでいると 昼間の結羽の言葉が蘇ってきた。 別に一人が好きなわけじゃない。 一人に慣れただけ。 恋をしたくないわけじゃない。 だけどこの年で恋をしたら、結婚を意識してしまうから。 でも、結婚は出来ない。 家族というものがわからないから。
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