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「私は・・・」
「失礼な話だよね。申し訳ない」
栗原君は頭を下げた。
「いいえ、そうじゃなくて・・・。叔母に断れなくて・・・」
栗原君が眉を寄せた。
「実は、そちらに断ってもらおうって思って・・・」
「え?」
「ちょっと曲者の叔母で、私から断るなんて無理なのよ」
二人でお互いの目をまじまじと見た。
そして、ほぼ同時に吹き出した。
「くり・・いえ保坂さんにも事情があるのね」
「事情というか・・・。見合いをしない理由がないというか・・・。そういう年齢だし」
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