第 13 章 お見合い

10/18
前へ
/472ページ
次へ
「私は・・・」 「失礼な話だよね。申し訳ない」 栗原君は頭を下げた。 「いいえ、そうじゃなくて・・・。叔母に断れなくて・・・」 栗原君が眉を寄せた。 「実は、そちらに断ってもらおうって思って・・・」 「え?」 「ちょっと曲者(くせもの)の叔母で、私から断るなんて無理なのよ」 二人でお互いの目をまじまじと見た。 そして、ほぼ同時に吹き出した。 「くり・・いえ保坂さんにも事情があるのね」 「事情というか・・・。見合いをしない理由がないというか・・・。そういう年齢だし」  
/472ページ

最初のコメントを投稿しよう!

304人が本棚に入れています
本棚に追加