第 13 章 お見合い

12/18
前へ
/472ページ
次へ
中学の一年間しか同級生じゃなかったけど、あの頃の彼は休み時間にふざけることはあっても、基本的に真面目な生徒だった。 「そっちは?誰か、いるの?付き合ってるとか・・・」 彼は窺うように私の顔を見た。 「いいえ」 正直に答えた。 すると、彼は穏やかな目になり、安心したように小さく頷いた。 「ひとまず、見合いは置いといて、懐かしい同級生の会話をしない?」 あまりに長いブランク。 栗原・・・いえ、保坂さんと言うべきね。 保坂さんの笑顔はすっかり成長した青年の爽やかさで、野暮ったい学ラン姿を思い出すこともできないくらいだ。
/472ページ

最初のコメントを投稿しよう!

303人が本棚に入れています
本棚に追加