第 13 章 お見合い

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共通の同級生だけど、クロゴと保坂さんも高校は別々で、きっと卒業後連絡を取り合っていないのかもしれない。 保坂さんが私の現在の職場の話を質問してきたら、自然とクロゴのことを話しただろう。 でも、クロゴのことをそのときは思い出しもしなかった。 屈辱的な宿題や自宅まで押しかけられたことも、すっかり忘れていた。 それだけ、保坂さんが好青年になっていたからだ。 初対面と錯覚させる程に。 帰宅すると、早速叔母さんから電話があった。 「どうだったかしら?」 控え目な言い方だけど、『良かったでしょ?』と言いたげな口振りだ。
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