第 14 章 骨折

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どうして、成瀬さんが知ってるのかしら? 「あのM家具店のお嬢様ですって」 家具店? 私のことじゃなかった! 「誰のこと?」 「桂木君よ」 江子が当然とばかりの顔になった。 そこへ、噂の張本人が事務室に入ってきた。 江子と同時にクロゴを見た。  江子は黙って目配せをすると姿勢を正した。 そして、手にしていたおにぎりを食べ終えた。 少し不自然とも思える私たちの仕草に、クロゴは怪訝そうな顔を向けてきたが、無言ですぐに部屋を出て行った。 「桂木君にも、春がきそうよ」
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