第 14 章 骨折

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江子がフフフと微笑んだ。 M家具店は市内でも老舗の大きな家具店だ。 彼も最近、お見合いをしたのだろうか? 成瀬さんが知ってるということは、クロゴが自ら話したってことかしらね。 もうちょっとそのデート場面を野次馬的に聞きたかったけど、勤務中は無理ね。 今まで勤務中の無駄話を極力避けていた江子だったが、婚約後は彼女からノロケ話を聴かされる機会が増えた。 それはそれで、聴いていて楽しい。 微笑ましい内容ばかりだから、こちらも幸せのお裾分けをもらっているような気持ちになる。 成瀬さんも今まで以上ににこやかだ。 成瀬さんと江子が事務室に入ってくると、目に見えないけど、ハートマークが彼らの周りをフワフワと浮遊しているように感じた。
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