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二月に入り、月一回の本部への提出物を届けに行った。
その帰り、足首がガクッと曲がり、ビルの階段を踏み外した。
何とか五段下の踊り場で踏みとどまり、そして転んだ。
咄嗟に両手をついた。
そのつき方が悪かった。
左手首に激痛が走った。
転倒の音に気づいたのだろう。
本部から人が出てきた。
階段の上から市田さんの声が聞こえた。
「大丈夫?」
階段を駆け下りてくると、私を助け起こしてくれた。
「はい。ありがとうございます」
そう言ってはみたが、あまりの痛さに左手をかばうように上体を屈めた。
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