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でも、手首の激痛は治るどころか、ますます強くなっている。
「車、持って来る」
私の返事を待たずに、彼は駐車場へ向かった。
「多分捻挫だと、思いますが・・・」
「それなら、それでいいじゃないの。とにかく、お医者さんに診察してもらいましょう、ね?」
市田さんが優しく私の背中を摩った。
市田さんとビルの外に出た。
しばらくしてクロゴの車がビルの前に止まった。
「乗って」
助手席の窓が開いて、彼が命令口調で言った。
助手席に乗ると、クロゴは何も言わずにシートベルトを私に装着してくれた。
右手だけではベルトを操作出来ないと見てとったのね。
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