第 14 章 骨折

8/21

299人が本棚に入れています
本棚に追加
/472ページ
でも、手首の激痛は治るどころか、ますます強くなっている。 「車、持って来る」 私の返事を待たずに、彼は駐車場へ向かった。 「多分捻挫だと、思いますが・・・」 「それなら、それでいいじゃないの。とにかく、お医者さんに診察してもらいましょう、ね?」 市田さんが優しく私の背中を摩った。 市田さんとビルの外に出た。 しばらくしてクロゴの車がビルの前に止まった。 「乗って」 助手席の窓が開いて、彼が命令口調で言った。 助手席に乗ると、クロゴは何も言わずにシートベルトを私に装着してくれた。 右手だけではベルトを操作出来ないと見てとったのね。
/472ページ

最初のコメントを投稿しよう!

299人が本棚に入れています
本棚に追加