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魔女喰い (プロローグ)
僕は宏美(ひろみ)。
そして僕は俺になった。
二十歳の冬。
全てはここから始まっていたんだ。
臆病で人見知りの僕を、
強気な俺に変えてくれた。
貴女(あなた)が僕の全てを奪って行った。
そして僕の全てを変えたんだ。
魔女である貴女を食べたあの夜。
全てが変わった。
僕の中の何かが動き出した。
貴女の下僕となり、
ヒモ男になり、
楽することで自堕落な俺が生れた。
全てが自分の手の中でコントロール出来ているのだと錯覚して、
いい気になっていた。
貴女に全てを奪われたあの時に、
既にこうなることは決まっていたのかもしれない。
今でも分からない。
俺が操っているのか、
俺が操られているのか。
全ての魔女達よ。
この世界から居なくなれ。
女性恐怖症。
世間ではそう呼ぶのかもしれない。
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