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「ごめんなさい!」
私が部屋に入るなり、ミーシャお姉さまがいきなり頭を下げた。私の予想は当たっていたようだった。エルシーお姉さまもうなだれている。
ミーシャお姉さまはその姿勢のまま話始める。
「ごめんね、あなたが大人になるまで面倒を見るはずだったのだけど・・・。そうもいかなくなったの。」
「お、お姉さま頭あげてよ。」
半ば無理やり頭を上げさせる。まさかここまでされるなんて思わなかった。
それにお姉さまは少し間違っている。
「面倒見てたのは私のほうでしょ。」
「・・・え。」
「私がお姉さまたちの面倒を見ていたのよ。だいたい私たちは雇い主と使用人の関係なのだから、大人になるまでっていういい方は変だよ。」
「ルピア・・・・・・。」
ミーシャお姉さまがきれいな薄茶の目で私を見つめてきた。エルシーお姉さまの嗚咽が聞こえる。
なんと思っているだろう。たぶんここまで面倒を見てきたのにこんなこと言う私のことを薄情ものだと思っているだろう。仕方がない。アハハ。
そのあと驚いたことに2人は私を抱きすくめた。
私はその時、本当に久しぶりに人と触れて、不思議な感覚だった。
私はどん底使用人だった。
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