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エルシーお姉さまとミーシャお姉さまへ
ホテル錦鶴で働き始めてから1か月がたちました
上司のナナさんも、ルームメイトのアリアとサヤンもいい人で私は結構楽しくやっています。まあ仕事は失敗だらけだけどね。
お母様は今どうしてるかわかりましたか?あと、お姉さまたちどうしてますか?
もしよければお返事ください。
ルピア
なんかすっきりしない内容のメールだ。送信ボタンを押すかどうか迷う。
「ルピアーちょっとお風呂沸かしてきてー。私明日やるからー」
「紅茶とコーヒーどれがいい?あ、ルピアコーヒー飲めないのか」
「んー」
最近仕事が忙しすぎて物思いにふける時間もない。しかし、部屋に帰ると双子がうるさすぎて、黙る時間もない。
アリアが抱き着いてくる。
「いいなーいいなースマホいいなー。やっぱりルピアはお金持ちだよー」
「そーかなー」
「ねえエルシーお姉さまとミーシャお姉さまって誰ー?」
「暴君だよ」
「何それ?」
「なんだろうね」
サヤンが近づいてきて、私たちに紅茶を差し出してくる。私はそれを少しすするとちゃぶ台の上に置いた。2人にはいってないけど実は私は紅茶もあまり飲めない。
「ねえ、ルピアって紅茶も飲めないの?」
いきなりアリアに攻撃を仕掛けられた私はもう口の中にない紅茶を吹き出しそうになった。
「なな何でそれを」
「いや、いつも残してるし」
「さすがにわかるよ」
頭を抱える私。
「言ってくれればよかったのに。紅茶のパックの無駄だよ」
「ごめん」
光る紅い紅茶を見つめた。
「お子様の味覚でしょ?」
「えっルピアってお子様じゃなかったの?」
「ちょっと!」
アリアに脳天チョップ。
ふしぎな感じがする。私はずっと同年代の友達がいなかったから。
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