灰まみれ

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「ヘーーん。ミーシャと私は違うもーん。バカルピアめー」 「馬鹿って言った方が馬鹿なんだよおおおおだ」  みんなでいただきますをしてから、いつものようにご飯を食べた。固いパンは私の口をパサパサさせる。  その後、お母様の元に行って、仕事の指示を受けた。 「そうね。まずいつものように掃除と洗濯をやってちょうだい。ルピアの部屋は特に汚いから念入りに片付けなさい。あと物置の屋根が雨漏りしてるから直しておくこと。明日は雨らしいからできれば今日中に。夕飯の時は食堂に来なくていいわ。ご飯なしと言っているわけじゃないの。ただ余ったキャベツを食べ尽くしてくれればいいわ。調理してもいいけどキャベツ以外のものは使わないでね」 「キャベツの大食いですか。わけわかんないですね。ちなみにどれくらいあるんですか?」 「そんなに多くない。ざっと十キロくらいね」 「えっと。それつまり何玉くらい?」 「だからそんなに多くないって」  夕飯キャベツだけなのはきついなあと思いながら、だだっ広い屋敷の中を雑巾掛けした。ぴっかぴっかになった床をみて私は満足する。どんなもんだい。  雨漏りの修理は、普段屋根に登ることができないので、堂々と登れて楽しかった。通りかかった他の使用人たちが笑いながら「大変そうだけど楽しそうだね。頑張れ」と言ってくれた。  見上げた空は雲が多かったが、どこまでも遠く、切れ間からは光が覗く。私はこんな世界に対して、呆れるほど不安を持っていない。笑顔を浮かべることなんて容易いものだ。  朝食より少しだけグレードアップした昼食を食べてからはミーシャお姉様によるお勉強会が始まる。一日の中で私の一番嫌いな時間だ。  この時のミーシャお姉様はいつもより一段と怖い。 「よく聞きなさいルピア。あなたはいつもお勉強が嫌いだと言うわね。でもルピアは実はとても頭のいい子なのよ。だから勉強しましょう」 「私馬鹿だよ」
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