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「あんた馬鹿なの? 私に頭いいと言ってもらっているんだからさっさと自分は天才だと錯覚しなさいよ」
「私、今ミーシャお姉様も馬鹿なのかなって思っているから何も信用できない」
「まあいいや」
どこまで鬼畜なんだろうこの人。
「今日は二次関数です。昨日の復習なんだから当然解けるわよね」
ミーシャお姉様は別に学校に通っていたわけでもないが、勉強はとてもできる人だった。お父様やお母様のおかげだと言っている。彼女に言わせるとこれからの世界は勉強ができる人が引っ張っていくのだそうだ。だからサルリベルノみたいな良いお家に生まれた人しか目立てない国は時代遅れらしい。自分は王様とかではないけどそこそこ良い家の生まれだから、頑張ってこの国の仕組みを変えると言っていた。
私はミーシャお姉様がそれをしたい理由の全部はわからない。でもきっとその夢は立派なことだと思う。
「これで正解ですか?」
「大正解よ。ただルピアにはこのやり方より別のやり方の方が合っていると思うの。今から言うからよく聞きなさいね」
三時間にも及ぶお勉強は果てしない。
「はーい次は国語でーす。今日は現代文ね。お題は《うさぎちゃんのピクニック》」
「《おさるくんとうさぎちゃん》シリーズそろそろ卒業しようよ」
「いやだ」
なんだって対象年齢四歳の絵本を読解しなくてはならないのだろう。
「さてルピア。うさぎちゃんはどうしてカメ太くんに怒ったのだと思う?」
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