灰まみれ

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「カメ太くんには名前に工夫が凝らされていたから?」  亀だけそのまんまの名前でないというのは前から気になっていた。 「あはは。ここふざけるところじゃないわよ。はい答えは?」 「?」  大真面目で答えたのに大真面目で笑われた私は困惑する。そんな私を見たミーシャお姉様も困惑する。 「……本気だったか。ルピアは読解力がなかなか向上しないわね。まあこういうのはできない人は本当にできないから仕方ないのかなあ。エルシーもこういうのは本当に苦手だったし」 「……私だめですか」 「正直言ってだめね。まあ気にするこたないわよ」 「気にしなくていいの?」 「ルピアも大きくなったんだし、苦手分野は切り捨ててもいいのかもね。初めから諦めるのはだめだけどルピアは八年も頑張ってるから。諦めなきゃ次のステージには進めないの。エルシーももう諦めちゃってるのよ」 「ふーん」  勉強時間が終わる四時からは一時間の自由時間だ。スマホでもいじってようかとも考えたが、今日は風が気持ちいい日だし剣術の練習をすることにした。 まあどんな日でも結局私は剣術をしている気がする。  愛用している剣を持って庭に出ると、そこではエルシーお姉様も剣術の一人稽古をしていた。 「あらルピア。ちょうどいいわ。一戦やらない? もちろん真剣で」
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