群青2 モノクロ第5話

彼女の気持ちはこの人に大きく傾いていたかもしれない。

有り得なくはないだろう。

それくらい彼女は彼に依存していた。

「……」

今更ながら、あの二人が結ばれた奇跡を心から感謝したい。と、そう思った。

「で、お前は？」

「はい？」

急に向けられた話に考え中の頭が追いついていかず、コーヒーカップから慌てて唇を離す。

彼を見ると、にやりと意地悪く片方の口角が上がっている。

嫌な予感がした。