群青2 モノクロ第5話

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「そろそろ戻ってくるか」 「はい?」 「本業。景さんと江茉さんも落ち着いたし、お前があそこにいなくても大丈夫だろう?」 「あぁ、そうですね。俺もそう思ってました」 ヘラを取り、お好み焼きの下をめくって焼き具合を確認する。 そろそろいい感じだ。 「旦那様はいつでも構わないと言ってはいたが、内心は早く戻ってきてもらいたいんじゃないかと思う」 「そうですね。俺は景さんにほぼ付きっきりで、旦那様と晃さんの事はほとんど犬童さんに任せてましたから」 「景さんを本社に呼ぶ準備もしてる」 「でしょうね。いつまでも江茉さんにうつつを抜かしていられては旦那様も晃さんも困るでしょうし。いい加減、次期副社長としての自覚を持ってもらわないと」 ヘラをふたつ持って「よっ」とひっくり返したお好み焼きは綺麗な焼き色が付いていた。 崩れずに丸い形を保つお好み焼きを満足げに眺め、ヘラを置く。
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