ボーダーレスな確率

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見たことのない機械に囲まれて何をされているのかよく分からないが、とにかく何らかの検査をしているのだろうと勝手に解釈した。 「これですべて終わりです。お疲れ様でした」 「こんな長い検査は初めてでした」 そう言いながらもM氏は満足げだった。 「それでは早速検査結果をお伝えしますね」 「もうですか。しかし、こんなに早く結果を知ることが出来るのは逆に嬉しい」 「結果を一刻も早くお伝えするのが、私たちの役目ですので」 院長は検査結果が書かれた表に視線を固定した。 「まずは脳ですが、今のところは問題ありません。ただし、」 「ただし?」 「ここにある血管がいつか詰まる可能性があります」 院長ははその画像をM氏に見せた。
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