図らずも秤にかける羽目になった浜野蓮輝の恥ずべきシュミ

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 晩ごはんを食べ終わると、おれはそっこーで自分の部屋に行った。  ドアの掛け金を下ろして、本棚の裏っかわから相棒を取り出す。  最初はパパに手伝ってもらってた組立ても、今はもう一人でできる。  よし。  望遠鏡、完成。  ベランダの前に設置して、レンズはもちろん外に向ける。  けど、向けるのは上じゃない。  空の星じゃなくて、都会の星を観るのだ。  そう。  おれの趣味は、こーやってよその家の中を望遠鏡で観ることだった。
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