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桜が散りゆく、夏とも春とも言えないこの季節。
私の家によく遊びに来るネコは今日は家の前で寝ていた。
私はそのネコを撫でながら休日をどう過ごそうか悩んでいた。
「お前は気ままだな~。」
なんて呟いているとどこからとなく声をかけられる。
「あの……そのネコ……」
振り返るとそこには高校生くらいの少女が立っていた。
「ネコ?……この子?」
私は目の前で気持ちよさそうに眠るネコを指さした。
「はい!家の喫茶店のネコなんです!」
「あ。そうだったの。」
私は「よく家に来るの。」と付け足した。
すると彼女は丁寧にお辞儀をして「すみません。ご迷惑を。」と謝る。
「いえいえ。私も暇なので。」
「いい遊び相手なんですよ。」とネコを撫でる。
彼女は「でしたらウチに遊びに来てください!」そう言って何故かつけっぱなしのエプロンの名札を掲げる。
その名札には『喫茶ライラック』と彼女の名前が記されていた。
私はすることもないしと、頷く。
そうすると彼女はニコリと笑って「マスターも喜びます!」と言った。
私が彼に会うまであともう少し。
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