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一目瞭然な保健室を見た時、櫂琉くんはフッと私をみて鼻で微笑む。
「お前、さっき気絶してたのに…起きるの早いな。たいした奴」
でも…なんだろ。変な感じがあたしに漂っているようなこの匂い。ほんのりいい匂いがする。
そんなことも知らない櫂琉くんはご機嫌のように笑っている。
声が突如なにも、〝俺はここまで重いお前を持ってきたんだぞ〟と偉そうにしているように。
そんな櫂琉くんに訊ねる。
「あれ…、あたし。ここ覚えないんだけど?」
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