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それがまた、エッセイを書くためのいい原動力になっていた。
娘達が数年で母親となり、私達夫婦は祖父母となった。目に入れても痛くないとは良く言ったもので、私達は孫を溺愛していた。いつも穏やかで優しく控えめな妻が、孫達を目にする時だけは、積極的に相手をするし、孫達の欲しいオモチャを好きなだけ買おうとしていた。そして、母親となって確りした娘達に、そんなに買わないで。と叱られていたものだ。
そんな孫達も今は、社会人になって、年に1回会えるかどうか解らないくらい疎遠になってしまった。寂しいが、これも時代の流れだろう。
妻が亡くなった時の事は、昨日のように思い出せる。
あの年の秋。軽く咳をしていた妻は、大したことがない、といつものように無理を重ねた。いや、あまり家事が出来ない私のために、いつもと変わらない日常を送っていた。だが、寄る年波というのは、軽い咳や熱を馬鹿に出来ないもので。
気付かなかった私も悪いのだが、体調を崩している事を妻が隠していた事もあり、気付けば、肺炎にかかっていた。ある日の朝、布団から出られない妻を見て、漸く体調不良に気付いた私が、慌てて病院に連れて行けば、肺炎と診断されて、入院の運びへ。
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