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2人きりにされた時、何を話しただろうか。記憶を探ってみても年老いたせいか、全く思い出せない。覚えている事と言えば、妻の白い額だけ。全く情けない。
それから3回くらい会って、特別不満が無かったから話が纏まった。妻も私に不満が無かったはずだ。当時、作家として家族を養っていける程の金銭は稼いでおらず、収入が不安定だったにも関わらず、妻は私と結婚してくれた。
不安だったはずなのに。
今から考えるまでもなく、よく出来た女性(ひと)だった。愚痴も不満も溢さない妻だったが、穏和しいだけの女性とは違い、やんわりとしながらも、意見は主張する人。
そんな妻に驚いた私。
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