第15章 引き続き、拝島くんとわたし

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ようやく彼女が納得し、頷いて身体を開いてくれる。できるだけさっきより優しく愛撫しながらも我慢出来ずに蕩けたそこに一気に奥まで入った。桐子がため息混じりに小さな声で、あぁ、おっきい、と呟くのが聞こえ、俺は他愛なくも男としての誇りを取り戻したような気になり舞い上がった。俺に聞かせようという様子でもなく、無意識の呟きのようだったのが嬉しい。 初めて味わう彼女の中は、吸いつくように俺を締めつけてきた。快感に全身を震わせる。 すごく、いい…。 数年ぶりのセックスだからってこともあるだろうけど、桐子の身体だからかもしれない。もっと彼女を悦ばせてあげたかったのに、俺はあまり保たなくて先にいってしまった。…ああ、でも、好きな子の身体って。 こんなにいいもの、なんだ…。 陶器のように滑らかな肌の身体を味わうように抱きしめながら、俺は幸せな気持ちで眠りに落ちた。彼女が俺のリハビリに身体を提供したつもりだったなんて、その時は思ってもみなかったし。 でも、朝起きて冷静に思い返してみると、彼女が愛撫の途中で堪えきれず涙を零したことがずん、と重く胸にのしかかった。あんな風に悪戯するように変な風に弄り回してしまった。彼女が嫌なことを思い出しても無理ない。 やっぱり、あんなことをするにはまだ早かったのかも…。 この時桐子を泣かせてしまった事実は自分の中で負い目になり、後々まで残った。あんな酷いことをされた子を、守ろうとしてそばにいたくせに、いつの間にか変な気を起こして気がつけばあの連中と同じことを彼女の身体にしようとしている。これには本気で参ってしまった。 大切にしたい気持ちに嘘偽りはないのに。 俺は自分のしたことに怯え、またしばらくの間彼女に触れることができなかった。ひと月近く空いたと思う。そうして結果やっぱり我慢ならなくなり、また彼女を抱いた。今回は彼女も最初から怯むことなく甘く積極的に受け入れてくれ、俺たちは身体を震わせて激しくいった。調子にのった俺は更に彼女の身体の隅々まで手や口を駆使して弄び、悶えさせ、彼女に懇願させて名前を呼ばせてから復活したものを押し入れた。彼女は悦びに身体を震わせ、激しく腰を遣い、俺にしがみついてあられもない声をあげて再びいった。 こんな桐子を見られる日が来るなんて。俺は幸せの絶頂にあった。 彼女は俺を受け入れてくれた。俺で感じて、いってくれた。 俺たちは恋人同士だ。
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