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問答無用でベッドまで運ばれる。
睦月くんは私をベッドに下ろすと、覆いかぶさるようにキスをする。
「ま、待って……っ」
手で睦月くんの口を塞ぐと睦月くんは私のその手に口づけた。
「何?」
「だ、だって……昨日だっていっぱい……」
「男子大学生の体力、底なしだから」
「!?」
「好きな子前にして何もしないなんて、そんなのあり得ない」
指を絡められてベッドに押し倒される。
それ以上の会話を拒むように深いキスをされて何も考えられなくなる。
服の中に入って来る睦月くんの手。
どんどん下がっていく睦月くんの唇。
だんだん荒くなる息。
何も考えられなくなる。
睦月くんが与える快感に悶えて、それに嬉しそうな顔をする睦月くんを見て、この人はこういう時必ず意地悪になるんだなってぼんやりと考えて。
色っぽく微笑む睦月くんにドキドキしながら、私の体力が尽きるまで睦月くんは私を抱いた。
_____________________________……
目を覚ますと私は睦月くんの着ていたシャツを着ていた。
恐らくは睦月くんが着せてくれたんだろう。
私の着ていた服はベッドの傍に散乱していた。
身をよじるとシーツに冷たい場所があって、それが何を意味するのか理解して真っ赤になる。
あ、あんなに激しくされるとは思ってなかった……っ。
それより睦月くんの姿が見当たらない。
キョロキョロするとキッチンから睦月くんがやって来た。
「起きた?」
「う、うん」
「お腹空いてる?お昼食べる前に紗綾の事抱いちゃったから」
「む、睦月くん!?」
赤くなって飛び起きると睦月くんが笑った。
「そんなやらしい格好で起き上がって、俺の事誘ってるの?」
「ち、ちが……っ!!」
「無理させたし、本当ならそのままでって言いたいんだけど。シーツ洗濯しないとだから、ちょっとこっち」
睦月くんは軽々私を抱き上げるとテーブルの椅子に座らせた。
「ちょっと待ってて」
睦月くんは私の頭にキスを落とすとそのまま寝室へ戻った。
あの王子は、一体どこからやってきたんだ……。
真っ赤な顔で撃沈してしまう私。
いつもいつも睦月くんに翻弄されてドキドキして……。
毎日好きが更新していく。
睦月くんは学生で、私は社会人。
当然時間が合わないこともあるし、自分に自信が持てなくなる時もある。
でも、私を誰よりも好きでいてくれる人。
ずっと一緒にいられたらいいのにな。
「一緒に住めたらいいのに……」
そう呟いて、私はテーブルに伏せた。
【学生王子に翻弄されて】
~イケメン大学生王子に溺愛されて心臓が限界です~
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