学生王子に翻弄されて

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私には、超イケメンの彼氏がいる。 自慢などではない。 ……いや、8割は自慢だけど。 だけど!! これは本当に彼が不細工専門(B専)だから起きた奇跡なのだ。 そうでなければ私のような地味ブス眼鏡に王子様のような彼氏が出来るなんておかしい。 そんな奇跡が起きたのは高校の卒業式の日だった。 1年から何かと人気があって、話したことはなかったけど存在は知っていた彼、田原(たはら)睦月(むつき)くん。 そんな彼と同じクラスになったのは高校3年の時だ。 私の名前が園原(そのはら) 紗綾(さや)であるばかりに、最初から席が隣になってしまったのが全ての始まり。 当時から地味ブス眼鏡だった私は"文学少女"というものを極めていた。 だから田原くんが隣であろうと関わる事なんてないと思っていたんだ。 だけど、だ。 田原くんがノートを覗き込んできたり、話しかけてきたり、教科書忘れたりするから……。 関わってんじゃん、私!! ってなって……。 女子からの白い目に耐えた日々が蘇る。 そして迎えた卒業式。 その日に限って壊れた目覚まし時計を呆然と見つめて慌てて学校へ向かった私。 お察しの通り、私は寝坊をした。 離婚してからお母さんはずっと働いていて、卒業式も行けないと泣きながら言ってきていた。 そんなお母さんに起こしてもらうなんて酷い事させられない。 だから頑張って起きていたのに……。 よりによって卒業式の日に遅刻するなんて。 当然、始まっていた卒業式の中には入れてもらえずに私は1人で教室待機。 悲しく窓から体育館を見下ろしていたさ。 そんな時。 突然ガラッと教室の扉が開いたのだ。 驚いて扉を見ると、そこには田原くん。 なんと田原くんも遅刻してきたのだ。 そして私は田原くんに言われた。 『付き合ってほしい』って。 .
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