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「さっき、なんで電話切ったの?」
「えっと……」
勝手に嫉妬して悲しくなって切った、なんて言えるわけない。
そんな面倒な女になりたくないし、心配も迷惑もかけたくない。
「間違えて、切ったの……」
「嘘。俺の目、全然見ないじゃん」
「た、田原くんがカッコよくて……」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、今は紗綾の本音が聞きたい」
田原くんが私の腰を引き寄せる。
密着する体にビクッと反応すると田原くんは私の耳を甘噛みした。
「ひや……っ!?」
「紗綾。言わないと、無理やり言わせる事になるけど……いいの?」
田原くんは私の眼鏡をはずすとそのまま口づけてきた。
ぼんやりとした視界に映る綺麗な顔。
ソファーにそのまま押し倒されるようにキスをされて息継ぎが上手く出来ない。
もう何度もキスをしているはずなのに、いつまで経っても慣れない。
甘くて、頭が真っ白になって、フワフワする。
「お風呂入ったんなら……いいよね?」
「え……」
「あとで一緒にシャワー浴びよう」
「何……」
「エッチすれば紗綾、素直になるもんね。久しぶりだから加減出来ないと思うけど、頑張って」
驚いて真っ赤になると田原くんは私の服の中に手を入れてきて、そのまま何も言えなくするようにキスを深くしてきた。
そこからは本当に頭が真っ白になるくらい抱かれて……。
もう何度目か分からない快感と田原くんの熱を感じて、田原くんは私の隣に寝た。
ああ……また私ってば、田原くんの前でだらしない顔さらした……っ。
恥ずかしくて両手で顔を覆う。
初めて田原くんとした時の事を思い出す。
『本当に初めて?こんなにいやらしく感じてるのに?淫乱すぎ、可愛い』
ああああああっ!!
私ってば変態すぎる!!
地味でブスなくせに、こんなイケメンの前でもっとブスさらすとか本当に犯罪だから!!
「紗綾といるとさ、ゴムの箱が空になるまでしたくなるんだよね。本当に気持ち良くて止まれなくなる」
「!?」
「大丈夫?体痛くない?夢中になって無理させてごめん」
「や…え…べ、別に……っ」
腕枕されてるこの状況にも心臓飛び出そうなのに、そんな優しくされたら心臓飛び出るどころの騒ぎじゃない。
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