誕生日プレゼント

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家に帰って晩御飯を食べていると睦月くんからメッセージがきた。 『来週の土曜日、楽しみだね』 そう書かれていた。 来週……。 カレンダーを見てハッとする。 私の誕生日だ。 私自身がすっかり忘れていた。 睦月くん、バイト休みにしてくれたのかな。 楽しみって、何か約束してたっけ? そう思いながらも私は『うん』と返した。 私が忘れているだけで、睦月くんと何か約束したのかも。 そうだったら申し訳ない。 自分の誕生日を忘れていたなんて、恥ずかしくて言えないし。 考えても思い出せないけど、いつもみたいに『遊ぼう』くらいの約束だろう。 それにしても、睦月くんと遊べるの楽しみ。 スマホを握り締めて微笑む。 睦月くんの事を考えると仕事だって頑張れる。 茂住くんの気持ち、分かるな。 ウキウキでご飯を食べながら私は誕生日に着る服の事を考えていた。 ……本当に私は馬鹿なんだと思う。 __________________…… 誕生日当日。 私は朝から楽しみにしていた。 可愛い服を着て、いつもよりしっかり化粧もして。 少しでも睦月くんに『可愛い』って言ってもらえるように。 だけど、待っても待っても、睦月くんが来ることは無かった。 メッセージを送っても既読にならない。 電話をしても繋がらない。 どうして……? もしかして、睦月くんに何かあった? まさか事故なんて事……。 想像しただけで青ざめる。 睦月くんの家に行ってみようかな。 でも入れ違いになったら怖いし。 グルグル考えていると知らない番号から電話がかかってきた。 これって、出るべき? 間違い電話の可能性とか、詐欺の可能性もある。 でもこの電話が睦月くんに何かあったと知らせてくれる電話なのかも……。 意を決して通話ボタンを押す。 「もしもし……?」 恐る恐る声を発すると、電話の向こうは何だか騒がしかった。 『あ、紗綾。ごめん、俺スマホ落として壊れたんだ。友達のスマホ借りて電話してるんだけど』 「え!?大丈夫!?」 『うん、平気。ところで紗綾、いつ来るの?』 「え?いつって……待ち合わせしてたっけ?」 『え?そりゃそうでしょ。待ち合わせ場所書いてたでしょ?』 書いてた? 一体何の話をしているんだろう。 分からなくて固まっていると睦月くんの後ろから睦月くんを呼ぶ声が聞こえた。 ・
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