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「分かってないみたいだから言うけど、本当に俺は紗綾の誕生日忘れてないから。それは明日ちゃんと証明する。一人で過ごさせて、泣かせて、本当に傷つけて悪かったと思ってるよ。だけどそれが、新しい彼女を作る事にどう関係するのか理解できない」
「遊びじゃないんですか……?」
「何が?」
「私の事……」
「遊びなわけないでしょ。今まで何度も言ってきたと思うんだけど。遊びの女の子に軽々しく『好き』とか『愛してる』とか言うわけないから。そもそも遊びの子を親に会わせるとかサイコパスすぎてヤバイ奴だし。なんで遊びなのに相手の親に気に入られようとしてるんだよ。きもすぎて笑えてくる」
「言われてみれば……」
「言われなくても分かってよ」
怒りをぶつけるかのように私にキスをしてくる睦月くん。
抵抗できずに、そのままソファーの背もたれに押し付けられた。
「そもそも同窓会だって参加してない。紗綾に謝るのが絶対に先だし、紗綾のいない空間とか楽しくないし」
「友達に会えたのに……」
「疑われてるけど、俺にとっては彼女が優先だから」
そんな拗ねながら言われても……。
「そう…ですか……」
「まだ敬語続ける?俺の事そんなに信じられない?」
「あ……」
「本当に俺の事嫌いになったの?それなら俺は全力で紗綾に好きになってもらうために行動を起こすけど、いいよね」
睦月くんはそう言うと私の首筋に噛みついた。
「睦月くん……!?」
「俺、怒ってるから。泣かせたことも、一人にしたことも悪いと思うけど、紗綾も俺の気持ち疑ったりして俺の事傷つけたから、お仕置きしないと気が済まない」
「どうして……」
「こんな、犯すみたいで嫌だけど、俺が本気で紗綾を好きだって分かってもらわないとこれからもずっとそうやって俺の気持ち疑うでしょ?そのたびに敬語で話されたら、いい加減頭おかしくなる」
両手を睦月くんに片手で押さえつけられて息もつけないほどのキスをされる。
乱暴に、だけど優しく触れてくれる睦月くんに生理的に涙が出てくる。
どうしよう、怖いのに、気持ちいいとか……っ。
「や……睦月く……っ」
「嫌じゃないよね。いつもより濡れてない?」
「そんな事…っ」
「うそつき」
「…っ」
自分からいやらしい水音が聞こえてくるのが恥ずかしくて、必死で声を押さえていた。
そんな私を責めるように睦月くんはどんどん行動を激しくしていく。
頭がフワフワして、どんどん何も考えられなくなっていく。
「今日は、俺が満足するまで付き合ってね」
どうして私は彼を怒らせてしまったのか。
彼から与えられる快楽に身を任せて、私の意識は真っ白に染まった。
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