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真っ白だった意識がはっきりしていく。
目を覚ますとすっかり朝になっていた。
なんだかとても体が痛い……。
横を見ると睦月くんの綺麗な寝顔があった。
その瞬間しっかりと頭が覚醒した。
赤くなる顔。
ドキドキする心臓。
き、昨日……ソファーで何度もしたあと、ベッドでも……っ。
あれだけの快楽を一気に与えられた事がないので私はあっという間に意識を無くしてしまったのだ。
怖かったのに、かっこよかったとか……っ。
ああっ!!
私って変態!!
おそらく睦月くんが着せてくれた睦月くんが着ていたTシャツを私が着ている。
か、彼シャツ……っ。
私には少し大きくて、少し丈の短いワンピースみたいになっている。
気持ちよさそうに寝ている睦月くんを起こさないようにゆっくりベッドから出てリビングへ向かった。
リビングの時計を確認すると朝の9時。
ちょっと遅めの朝ごはんでも作ろうかな……。
あんなに睦月くんが怒るくらい、彼は私を好きでいてくれたみたいで。
私はそんな彼の気持ちを疑って。
確かに自信は全くないけど、それは睦月くんには関係の無い話。
疑ったのは、本当に申し訳なかったな……。
それにしても凄く腰が痛い。
そう感じてしまうと、思い出すのは昨日の睦月くん。
いつもみたいに優しい口調ではなく、ずっと私の事責めるみたいな強めの口調だったけど、それがまたカッコよくて言葉だけで何度も感じてしまった自分の淫乱さよ……。
うう……っ、睦月くん好き……っ。
腰を押さえてキッチンにしゃがみ込む。
しばらくこうしてよう。
ちょっとマシになってからご飯作ろう。
少し息をつくと後ろから抱きかかえられた。
「!?」
相手は当然睦月くん。
睦月くんは私をそのままソファーまで連れて来て座らせてくれた。
私が睦月くんのTシャツ着てるから仕方ないんだけど……
上半身裸で、下着姿の睦月くんは目によろしくない!!
「あ……え、えっと……っ」
「おはよう、紗綾」
「お、おはよう……」
「無理して起きなくていいのに。体、辛いんでしょ?昨日俺が無茶させたから」
「ちょ、ちょっと休めば動けるから。あの、Tシャツ着たままでごめんね?着替えて……」
「無理しなくていい。俺のそのまま着てて」
「でも睦月くん着るものないよ?ずっとその……そのままというのも……っ」
睦月くんは自分の格好を見てから「あー……」と言った。
「紗綾」
「何?」
「お風呂貸して」
「う、うん」
「そのあと一緒に俺の家来て。着替えたら一緒にご飯食べに行こう。それから連れて行きたい場所あるから」
「分かった。私も着替えてくるね」
「歩ける?」
「うん、平気」
気にしてる睦月くんに笑いかけて私は寝室へ向かった。
こうやって甘やかしてくるから睦月くんは心臓に悪い。
でも……
『愛してるから、紗綾には疑われたくない』
行為中にあんなに言われたあとだと、本当に愛されてるなって思えて幸せになれる。
私は少し微笑んでクローゼットを開いた。
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