114人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから特に事件も起きず平和に暮らせている。
睦月くんとの生活もとても楽しい。
今日はお互い休みで一緒に出掛ける約束をしていた。
朝ごはんを作りながら朝のワイドショーを見る。
芸能人の恋愛の話やドラマや映画の話をしている。
あ、この映画観たいやつだ。
睦月くんと一緒に観に行ってもいいんだけど、彼にも予定があるだろうし。
絶対に二人で行かないといけないわけじゃない。
明日は睦月くんバイトだし、一人で映画行こうかな。
そう思ってスマホで明日の映画時間を調べる。
そんな私の後ろから睦月くんが抱き着いてきた。
「睦月くん!」
「おはよう、紗綾。何調べてんの?」
「明日の映画の時間」
「映画?なんで明日なの?」
「明日から上映だから、明日観に行こうかなって思って。ネットで席予約しとこうと……」
「もしかして紗綾、一人で行こうとしてる?」
「え?うん。だって睦月くん明日バイトだし、私の観たいやつに無理やり付き合わせるの悪いし……」
「もー、まだそんな事言ってるの?俺が紗綾のお願い聞かないわけないでしょ?」
睦月くんは私からスマホを奪うと素早く操作した。
それから私にスマホを返した。
画面には『予約しました』の文字。
時間は夕方の時間だった。
「俺、明日三時にはバイト上がれるから。それから行こ」
「一緒に行ってくれるの?」
「当たり前でしょ?絶対に一人にならないで」
「もう大丈夫だよ。仁坂さんはもう居ないし、私に意地悪する人はいないし……」
「だとしても、何があるか分からないでしょ?油断してまた怪我したらどうするの?今度はもっと酷いことになったら?そんなの俺嫌だよ」
相変わらず心配性だ。
そんな重ための愛さえも嬉しいと感じてしまう私はおかしいのだろうか。
私は睦月くんに笑いかけた。
「もうすぐ朝ごはん出来るから座ってて」
「俺も手伝う」
私の隣でコーヒーを淹れてくれる睦月くん。
本当に私の彼氏はいい人だ。
「そういえば、この間バイト行った時にバイトの先輩から教えてもらったんだけどさ。ここのパンケーキが凄い美味しいって」
睦月くんがスマホの画面を私に見せる。
そこには美味しそうなパンケーキの写真が写っていた。
「今日行こうよ」
「うん」
二人で朝食を食べて何気ない会話をする。
この時間が私はとっても好きだ。
一緒に生活するって幸せ。
・
最初のコメントを投稿しよう!