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ご飯の用意が終わって4人で席に着く。
「いただきまーす!!」
「ます!」
手を合わせてご飯を食べ始める二人。
可愛い子供に出会えて本当に幸せだ。
ご飯を食べ終えて子供をお風呂に入れて寝かしつける。
天使の寝顔で寝ている二人に微笑んで私は部屋を出た。
「疲れてたのかすぐに寝ちゃった」
「紗綾がいつも遊んでくれるから嬉しいのかも」
睦月くんはソファーの隣をポンポンと叩いた。
隣に座ると睦月くんに肩を抱かれた。
「紗綾は俺に感謝してるかもしれないけど、俺も紗綾に感謝してるよ」
「え?」
「俺の事選んでくれてありがとう」
どうして睦月くんがお礼を言うんだろう。
睦月くんなら選り取り見取りだったはずだ。
その中で私を選んだことに驚きなのに。
「可愛い子供、生んでくれてありがとう」
「二人とも睦月くんに似てるけどね」
「紗綾に似てるじゃん」
「え?どこが」
「可愛いとこ。俺、ちょと心配だし」
「綾香、幼稚園で男の子にモテモテだから?」
「たぶらかせ、なんて教えてないんだけど」
「睦月くんだって昔はそうだったでしょ?何もしなくても女の子が寄ってくる」
「あー……、勝手に寄って来てるのか」
身に覚えがあるのか眉を寄せた。
「幼稚園の先生に『綾香ちゃん、男の子に人気ですよ』って言われるの。当の本人はイケメンじゃないからって理由であまり深く関わってないみたいだけど」
「なんでそんな面食いに育った」
頭を抱える睦月くんに笑う。
お父さんがイケメンじゃ仕方ないのかな。
「砂月も可愛い顔してるし、きっと将来は睦月くんみたいにイケメンに育つと思うよ。女の子が放っておかないね」
「面倒くさくならなきゃいいけど」
「それはちゃんと教えてあげてね。私には分からないことだから」
睦月くんは私の頭を撫でる。
恋人の時からずっとこうして甘やかしてくれる時間をくれる。
本当に好きだな。
「二人とも、心から本当に愛せる人に出会えるといいな」
睦月くんの言葉に私も同意だった。
私が睦月くんに出会えたように、二人にもきっと二人を大事に想ってくれる人が現れるって信じてる。
私達の大事な天使たち。
「睦月くん、私毎日楽しいよ」
「俺達に困らされてるのに?」
「睦月くんも子供みたいになるときあるけど、それでも私は好きだもん。翻弄されても楽しむからいいの」
睦月くんの頬にキスをすると睦月くんが驚いた。
「これからもよろしくね、旦那様」
「ほんと……可愛い事しないでって言ってるのに」
二人で笑い合う。
これから先もずっと、私は彼と一緒に生きていく。
辛い事も沢山あったけど、そのどれもが大切な思い出。
いつか子供たちに話せたらいいな。
私と睦月くんの、思い出話。
幸せを噛みしめながら、私は睦月くんと笑い合うのだった。
【学生王子に翻弄される毎日は】
~大事な旦那様と過ごす毎日に変わりました~
END
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