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……あ、言っちゃった。
力が抜けて、椅子にもたれ掛かった。
武瑠の顔は怖くて見れない。
考えてみたら、自分から告白するのは初めてだ。
こんなにドキドキするものなんだね。
隣で武瑠が動く気配がしたと思ったら、耳元で「ありがとう」と囁かれて、びっくりして目をあけた。
「っ………」
武瑠は私の耳にチュッとキスをすると、「俺も紗和が好きだよ。紗和とずっと一緒にいたい」と言って、私をぎゅーっと抱き締めた。
トクトクトク
心臓の音が聞こえる。
こんなに速いのは武瑠も緊張してるんだよね。
なんだか嬉しくて、私も武瑠の背中に腕を回した。
付き合っていた時、武瑠に抱き締められるのが大好きだった事を思い出した。
「フフッ。幸せ」
思わず声に出してしまい、慌てる。
武瑠はそんな私を見て、嬉しそうに笑った。
「紗和、約束する。
2度と紗和の手を離したりしない。
だから、もう一度だけ俺を信じて」
「うん。武瑠を信じるよ。
だから、この先辛いことがあっても、自分だけで悩まないで私に相談してほしいの」
「分かった。
だから、………俺だけを頼ってくれる?」
えっ?
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