第4章

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俺が動かなくても兄貴がどうにかしているだろう。 ただ、森宮兄弟については俺も関わりがあるから後で呼ばれるだろうとは思う。 どこかの組にでも協力を求めたのかと思えば、失踪した人数のみでここに来るとは思わなかった。 もしかしたら協力を求めに行ったのかもしれないが、断られ続け諦めたのかもしれない。 そう簡単に黒羽会へ乗り込もうなんて思える所があるとは思えない。 とりあえずは、ここにいる翼と篠崎がどうにかなっただけいいとしよう。 すぐには事務所に戻れないだろう。 森宮彗太がどんな状態にあるかは気になる。 玲麻に電話をして、事情を簡単に説明し、すぐには帰れないことを伝え、何かあれば携帯へ連絡を入れるようにしてもらう。 「みんなまとめて俺の実家だな。まだ何も連絡が来ないということは、すぐには動けないってことか。」 「負傷者が出ていることもあって、すぐには落ち着かないかもしれないですね。」 唯や翼の父親が撃たれたと言っていたが、冷静な状態でここに来た唯からすると命に別状はないのだろう。 何か胸騒ぎがするのは俺だけだろうか。 嫌な予感がする。 念のため、俺は親父と兄貴へメールとして送っておく。 俺の予感が外れたことがないからだ。
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