背中に降る災難

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店中がホッと息を吐くのがわかった。 そういう私もそのひとり。 絵に描いたような修羅場終了。 東野さんも1度大きくため息をついてから、伝票を手に立ち上がり、周りのみんなに謝罪。 「お騒がせしてすみませんでした」 そして私たちの伝票を掴んでレジへ歩いていってしまった。 「気にしないでください」 伝票を返してもらおうと追いかけたけど、クリーニング代がわりだと言われて引き下がることにした。 水で濡れただけだから、クリーニングには出さないんだけど、これ以上食い下がるのも気が引けて。 でも濡れたのは確かだし、それに他のテーブルからの好奇の目にも晒されちゃったわけだし、迷惑料ってことでいいかな。 .
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