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『はい』
「志穂先生、篠田です」
『うん、わかってるけどどうしたの。落ち着いて話してごらん』
落ち着いているつもりだったけど、どうやら私は動揺しているらしい。
いつも園児に話すように諭された。
「えっと、甥っ子の健太が熱を出したんですけど、土曜日だしもう夜だし、病院開いてないんです。どこか見てもらえるところ教えてください」
『健太くんがお熱なのね。ちょっと待ってて』
電話の向こうで誰かと話しているみたいだけど、なんて言っているかはわからない。
「志穂先生、早くぅ」
ぐったりしている健太の汗を拭きながら志穂先生の返事を待つ数分がもどかしい。
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