390人が本棚に入れています
本棚に追加
線香花火をしまった東野さんが別の1本を取り出して、ライターで火をつけてくれた。
パチパチと音を立てながら、光のシャワーが夜の公園を明るくする。
「きれい」
久しぶりの花火に心が躍る。
「あ、あぁ、きれいだな」
ふと顔を上げると、こちらを見ていた東野さんと目があって。
ビックリしたみたいに顔を背けるから、なんだかちょっとだけドキドキした。
「東野さんの花火、終わってますよ」
そういう私の花火もすぐに消えた。
1本の手持ち花火の命はあまりにも儚い。
.
最初のコメントを投稿しよう!