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そんな些細なことに気がついて、元気づけてくれるなんて本当に優しい人なんだな。
ほとんどの花火を使い切り、ようやく線香花火を取り出した。
ふたり並んでしゃがみこむと静かに火を点ける。
小さく火花が弾けて、そして赤い玉が膨らんで、落ちた。
「あのさぁ、さっき来ていたやつ……」
「健太のパパがどうかしました?」
「いや、その人じゃなくて……」
「あっちゃんのことですか?」
東野さんにしては歯切れが悪い。
なにか言いにくいことでもあるんだろうか。
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