恋の花火-2

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遠くの空に少しオレンジ色が残っているけど、ほとんどもう夜の色で。 目を凝らすとかすかに星が見える。 雲ひとつない空は、近くの大きなマンションがなければ月も見えただろう。 ぬるい風が頬を撫で、そろそろ夏が近いのだと教えてくれる。 ベランダの植木鉢には、紫陽花は終わってしまったけど、緑が濃く背が高くなった花たちが待っていた。 日当たりがいいおかげで成長が早い。 「ご飯ですよ。また綺麗な花を咲かせてね」 蕾をつけた花に話しかけながら水をやる。 「ぷっ」 今デジャヴ? に襲われたような気がする。 .
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