彼の覚悟

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「あ、やっちまった」 「ふふっ、しょうがないですね。ほら、これでとんとんしてください」 おしぼりを渡してシャツを拭く東野さんを見守る。 私が欲しかったのはこういう関係なのかもしれない。 高級レストランでもなく、ロマンティックな場所でもない。 仕事帰りに入ったファミレスで、なんとなく告白されて、そんな始まり方も私らしい。 子供の頃からマンガみたいなことは起こらないってわかっていた私らしい。 なんだか楽しくなって、さっきから食べるのを忘れていたカルボナーラにフォークを入れる。 冷めちゃったな。 .
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