378人が本棚に入れています
本棚に追加
「千尋の気持ちってなんだよ」
「千尋は健太と離れたくないんだよ。それ以外あるか。そんなこともわからないのかよ、兄貴のくせに」
「あのなぁ……。まぁいいや。じゃあお前は千尋と一緒に健太を育てる覚悟があるって言うのか」
「当たり前だ。これでも俺なりに真剣に考えたんだ」
そこまで聞いたところであっちゃんが急に表情を変えた。
こんなに嬉しそうな顔をすることは滅多にない。
きっと赤ちゃんが産まれたときの次くらいに嬉しそうな顔なんだと思う。
だけどそういえば、先日遊園地に誘ってくれたとき、健太が帰ってしまう話をした。
帰り際、東野さんがいつもより神妙な表情に見えたのは、このことを考えてくれていたということなんだろうか。
最近会わない間にずっと考えてくれていたということ?
.
最初のコメントを投稿しよう!