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「健太、元気だった? 会いたかった。ちょっと大きくなったんじゃない」
「僕もママに会いたかったんだよ。ちゃんとピーマンも残さず食べたから大きくなったでしょ」
「そっか、えらかったね」
しっかりとママに抱きしめられて、これ以上ない笑顔の健太に、東野さんが唖然としている。
「ママ?」
「健太のママだよ。千尋の姉貴で俺の妹」
「え? 千尋がママじゃないの?」
「違いますよ。入院していた姉の代わりに健太を預かっていただけで……」
さっきまでの勢いがなくなって、乗り出していた東野さんの体がゆっくりと床に戻っていく。
「なに? 千尋の彼氏? 初めまして、千尋の姉の律香です。もしかしてあなたね、母が言っていた健太と遊んでくれているお隣さんって。健太がお世話になりました」
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