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「あ~あ、俺が今まで悩んだのはなんだったんだって感じだ」
「気が付かなくてすみません」
少しでも話してくれていたら、そのときに誤解は解けていたはずだった。
だけど東野さんはひとりで悩み、私は言ったつもりでなにも気がつかなかった。
私たち、もう少し自分の気持ちを正直に話せるようにならなくちゃいけないな。
意外と口数が少ない東野さんを饒舌にするのは難しそうだけど。
「わかってる。俺が勝手に悩んでいただけだ。あ~あ、気が抜けたら腹減った」
一気に力が抜けた様子でテーブルにうな垂れている。
「やっぱりオムライス、もうひとつ作りますね」
「頼む。それから遊園地、両親は忙しそうだから、俺たちで健太を連れて行こう」
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