優しく包んで……

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ぼさぼさ頭の東野さんは、あっちゃんの時に限って最近はちょっとウザそうに玄関に顔を出す。 あれだけ派手にチャイムを鳴らされたらウザく思うのも当然だ。 しかもあっちゃんに懐かれたら相当面倒くさいことも私たち姉妹の間では紛れもない事実で、少し前まではその被害者は礼二さんだった。 礼二さんは東野さんよりも寛大な人だから、苦笑いで収めてくれていたんだけど、東野さんは隠す気はないらしい。 そのウザい気持ちを隠す必要もない間柄になったということは、私としては嬉しい半面申し訳ない。 「おはようございます。今日も早いですね」 「当然だろ。な、健太」 「うん。そーちゃん、公園行くよ」 健太の笑顔には逆らえない東野さんは、しゃがみ込んで健太の頭を撫でる。 .
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