顧客その1:くすぐりスライム ゲルグ

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「はあっ……はあっ……」  早由香は、その場にへたりこんだ。 「おやおや~……貴女、ゲルグさんを燃やしてしまったのですかァ?」 「えっ……あっ!?」  先ほどの仮面の男が、早由香の後ろから現れた。 「貴女には、ワタシの“お客様”をおもてなしして下さいとお伝えしたはずですが、やってしまいましたねェ……」  仮面をつけているので、表情は窺えないが、ジロリと睨んでいる雰囲気が伝わってくる。 「っ!?……で、でも、あのままだったら、私は奴隷みたいにされていました!!せ、正当防衛です!!」  早由香は必死に弁明する。すると、 「そうですねェ。ま、確かに彼はやり過ぎていましたし、自業自得ということで処理しちゃいましょう」 「……えっ?」  仮面の男の思いがけない言葉に、早由香は目をパチクリさせた。 「実はゲルグさん、上顧客だったんですが悪質なクレーマーでもありましてねェ。そろそろ関係を断ち切りたいと思っていたんですよォ。いや~、早由香さんのおかげで助かりました。さすが、ワタシの見込んだ女性です♪」 「は、はあ……」  仮面の男は早由香の両手をつかみ、ブンブンと嬉しそうに振った。
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