顧客その2:吸精悪魔ショタ キュム

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「遊ぶ?」 「ボク、いつもひとりで、あそびあいてがいなくてさびしいんだ。だから、あそぼう!」 「そう言われても……何をすればいいんですか?」  普段、子どもと接したことがない早由香は戸惑った。 「そうだなあ~……そうだ!おにごっこしよう。ボクをつかまえられたら、お姉ちゃんのかちだよ」 「そ、それでいいんですか?」 「うん。じゃ、スタート!」  と、言うや否や、キュムの方から早由香に向かってきた。 「えっ、えっ!?」  思いがけない相手の行動に、立ちすくむ早由香。キュムは低空飛行で一気に彼女に近づき、 「それっ、スカートめくり!」 「きゃあっ!!」  すれ違いざまにバサッと勢いよくスカートをめくるキュム。慌ててスカートを押さえる早由香。 「な、な、何をするんですか!?」  早由香は顔を真っ赤にしてキュムを睨む。 「なにって、スカートめくりをしたんだよ」 「そ、そんなことは、分かっています!!何で鬼ごっこなのに、私のスカートをめくるんですか!?」 「お姉ちゃんがスカートはいてるからだよ。それに、みこさんのパンチラなんてレアものだよね。さーて、こんどはどこから、めくっちゃおうかな~」 「うっ……」  回りを飛び回るキュムの言葉に反応して、スカートを押さえる早由香。  しかし、よく考えてみれば、追いかける役の彼女が狙われるという、おかしな図式である。 「よーし!」  先ほどと同じように、低い位置から飛んでくるキュム。 「させません!!」  前屈みになって、スカートを防御する早由香。だが、途中で軌道を変え、 「とみせかけて、おっぱいターッチ!」 「ひゃあんっ!!」  スカートに気を取られていたため、早由香の胸はノーガード状態。あえなくキュムの両手の餌食となった。 「わーい。ひっかかった、ひっかかった」 「うう~~っ!!」 「お姉ちゃんのおっぱい、ふかふか~」 「……こ、この~~っ!!」  恥ずかしさと悔しさで、カッと頭に血が昇った早由香は、飛び回るキュムを一目散に追いかける。  ようやく鬼ごっこらしくなってきたようだ。
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