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「と、突然、何を言い出すんですか!?」
「ボク、ほんきだよ!お姉ちゃんのこと、だいすきになっちゃったんだ!」
「そ、そんなことを急に言われても……」
相手が子どもとはいえ、異性に告白されたことが初めての早由香は、恥ずかしさで顔をそむけてしまう。
「ボク、もうわるいことしない!いい子になる!もうにどと、せいきをすったりしないから!……だからお姉ちゃん……ボクのこと、きらいにならないで……」
叱られた子どものようにぼろぼろと涙を流しているキュム。
それを見てしまうと、早由香は何も言えなくなってしまった。
「……もういいですよ」
替わりに彼女の胸に浮かんできたのは、許しの感情。
「精気も返して頂きましたし、今回は許してあげます。だけれど」
早由香は、ピッと人差し指を立て、
「また悪いことをしたら、嫌いになってしまいますからね」
パチッとウィンクをして見せる。
「……ありがとう!お姉ちゃん、だーいすき♪」
「きゃっ?」
神妙な面持ちはどこへやら、パアッと満面の笑顔になって早由香に抱きつくキュム。
「もう……調子がいいんですから」
そう言いながらも、早由香もまんざらではない様子である。
どうやら早由香の優しさと胸で、キュムは“浄化”されたようだ。
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