顧客その2:吸精悪魔ショタ キュム

12/12
前へ
/62ページ
次へ
「はーい、キュム君。もう約束の時間を過ぎてますよォ」  そこへパンパンと手を叩きながら、仮面の男が姿を現した。 「えーっ、やだ!ボク、もっとお姉ちゃんといっしょにいたい!」 「こらこら、駄々をこねるんじゃありませんよォ。まだ早由香さんに用がある方がいるんですから」 「ま、まだいるんですか!?」 「はァい。ですからキュム君、こちらへ」 「やだ!」  引き離されまいと、キュムは早由香にしがみつく。 「困りましたねェ。良い子になるって早由香さんと約束したんでしょうに」  男がやれやれと頭を掻いていると、 「おや?」 「えっ……っ!?」  突然、地面から何者かの手が生えて、早由香の足をつかんだかと思うと、すさまじい勢いで引っ張られた。 「な、何、きゃあーーーっ!?」 「お、お姉ちゃん!!」  キュムが必死に早由香の手をつかむが、地面の手の力が強く、あっという間に地面に吸い込まれてしまった……
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加