8人が本棚に入れています
本棚に追加
店主から、真相を聞かされた早由香は、一つ一つ頭の中を整理させていく。
「つまり……私に変なことをしてきた魔物は、全て店主さんが創ったのですか?」
「……ああ」
「……私の身体をくすぐったり、吸い付いたり、舐めたり……って、店主さんがあんなに自分勝手でエッチなことを考える人だなんて、思いもしませんでした……」
早由香は悪戯をされていたときのことを思いだし、顔を赤くした。
「それと……“レスター”がしてきたことも、店主さんの願望なんですね?」
「……ああ」
「私に悪戯をするだけじゃなく、恋人みたいなこともしたかった。……で、合っていますか?」
うなずく店主に、早由香はやるせない表情で彼を見る。
「……普通は、私にあんなことをしようと思う方が、告白するよりもずっと勇気がいると思いますよ。それに別の人間を装って告白して、私の真意を探ろうとするなんて、ずるいです」
「……………」
「私がこの事を知ったら、どう思うのかも分かっていましたよね?」
「……………」
返す言葉もなく、店主は俯いている。
早由香は、まっすぐに店主の前まで歩み寄った。やはり、これをしておかないと気が済まない。
最初のコメントを投稿しよう!