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「お、お待たせ、早由香ちゃん。それで、これからどうするんだい?」
慌ただしく店の奥から出てくる店主。
「そうですね……まずはお友達として、“差し向かいでお茶を飲む”から始めましょうか。もちろん、貴方がご馳走して下さいね。“レスター”さん♪」
可愛らしく、悪戯っぽく微笑む早由香の笑顔に、店主はもう逆らえない。
想いが高じて妄想物語を書くくらい憧れていた女性が、自分とつき合ってくれることになったのだ。
だが、自分の描いた舞台で彼女に踊ってもらった代償は、今後しばらく、彼女の書くシナリオに、おど(ら)される形で支払うことになりそうだ……と、彼はため息を吐きつつも、嬉しそうに出かけるのだった。
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