勝てない『アイツ』

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その後の吉原工業の勢いは凄まじかった。 抗争が始まって30分で4階建ての柳川学園の 3階までを占拠してしまった。 現在生き残ってるのは俺ら吉原工業が50人、 柳川は35人ってところか…数ではこっちが 勝ってるが向こうは久我に加えて幹部が2人… 正直まだまだ油断は出来ねぇな。 そして破竹の勢いで4階B棟廊下までやってきた。 廊下には2人の幹部と下っ派全員が道を塞ぐように 立ち塞がっていた。 「面倒くせぇなあ……チャチャっと済ましちまおうぜ」 「番長、あの2人恐らく『花岡兄弟』です」 「あぁ…九州一帯の全中学をまとめ上げてたっていうイカレ兄弟か。まさか柳川に来てたとはな」 「ここは俺らに任せて下さい。この先は屋上ですからこのまま突っ切れば体力温存出来ます」 「頼もしいな。任せ…」 バリィン!!! 「ねーねー、もう話は終わった?」 花岡兄弟の次男花岡誠(ハナオカマコト)が酒瓶を 壁に叩きつけ破片が派手に飛び散った。 「誠…お前はいつもやり過ぎる。番長とはいえ少し手加減してやれ」 そう言って花岡兄弟の長男花岡豪(ハナオカツヨシ)は両手にボクサーのようにテーピングを巻いていく。 この雰囲気…ただ者じゃねーな。久我がいなければ間違いなくコイツらが頭になってただろう。 「全員、狩り殺せ」 オラァァァァァァァァァ!!!!!!!!! 花岡豪の号令と共に柳川の下っ派達が 押し寄せてきた。
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